良性発作性頭位めまい症
良性発作性頭位めまい症の症状
良性発作性頭位めまい症とは、寝床から起き上がったときや、寝ようとして横になった時、寝返りを打ったとき、上を見上げた時などにめまいに襲われる病気です。
めまいを起こす頭の位置を、「めまい頭位」といい、いつも決まった頭の位置で、めまいが起きるのが特徴です。 めまい頭位にしたとたん、すぐにめまいの症状が現れますが、数秒から2分以内に治まるのが普通です。 回転性の激しいめまいが起こる場合と、軽い平衡失調の場合がありますが、回転性のめまいでは吐き気や嘔吐を伴う場合もありますが、耳鳴りや難聴などの症状はありません。
40~60代の女性に多くみられます。 病名に「良性」と付いているように、深刻な病気ではありません。 めまいは繰り返し経験するうちにしだいに慣れてくるため、症状も軽く感じられるようになってきます。
良性発作性頭位めまい症の原因
良性発作性頭位めまい症の原因は、はっきりとはわかっていませんが、内耳の耳石器(頭の傾きや重力を感知する器官)にある耳石が、何らかの原因で脱落して半規管内に堆積したり、浮遊することでめまいが起こると考えられています。
良性発作性頭位めまい症の治療
メニエール病などとは異なり、めまい発作を予防するのではなく、積極的にめまい頭位をとってめまいに慣れることが症状の改善につながります。
また、有効な理化学療法として「エプリー法(浮遊耳石置換法)」があります。 この療法は、頭を回転させ、脱落した耳石を転がすようにして半規管から移動させて、元の位置に戻す方法です。
めまい頭位繰り返しとっても、めまいが軽くならなかったり、めまいが長時間続く場合には、小脳の障害が原因で起こる「中枢性めまい」のおそれがあるので、耳鼻咽喉科以外に、脳神経外科など受診も必要になります。