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難聴のタイプと特徴

耳の各部位の働き

外耳 : 音を集める(伝音系)
 ↓
中耳 : 音を大きくして内耳に伝える(伝音系)
 ↓
内耳 : 音の振動を電気的信号に変換する(感音系)
 ↓
聴神経: 電気的信号を脳へ伝達する(感音系)
 ↓
脳幹 : 聴神経~大脳の過程で音の強さや高さを分析する(感音系)
 ↓
大脳 : 音の性質や言葉の識別、統合、認知を行う(感音系)

高音域(感音系)、低音域(伝音系)の難聴

高音性難聴

 高い音域が(電話の呼び出し音、ささやき声、鈴虫の声など)が聞こえにくくなる状態を高音性難聴といい、内耳→大脳のルート(感音系:音を感じ取る部分)の障害が原因で起こることが多く、感音難聴とも呼ばれています。

 感音難聴は、突発性難聴やメニエール病、騒音性難聴、老人性難聴、超神経腫瘍などでよく見られます。

低音性難聴

 低い音域(車の走行音、波の音など)が聞こえにくくなる状態を低音性難聴といい、外耳→中耳のルート (伝音系:音を伝える部分)の障害が原因で起こることが多く、伝音難聴とも呼ばれています。

 伝音難聴は、耳垢が詰まった状態や、中耳炎、鼓膜の損傷、耳小骨の異常などで起こります。

*感音難聴と伝音難聴が合併した混合性難聴もあり、滲出性中耳炎では初期には伝音性難聴が生じますが、 病気が進行し、内耳に障害が及ぶと感音難聴も伴うようになります。

*一般的に、伝音難聴は、難聴の原因を取り除き、適切な治療を行えば、聴力の回復が期待できますが、 感音難聴は、治療が難しいといわれています。

騒音性難聴と音響外傷

騒音性難聴

 鉄工所や工事現場など常に強い騒音がする場所で、10~20年にわたって仕事を続けてきた人に起こりやすい難聴で「職業性難聴」ともいいます。
 長年にわたる騒音で、内耳が傷害されることで起き、高音域から聞こえにくくなりますが、初期には難聴に気づかないこともあります。
 職場では耳栓をするなど、内耳を保護する対策をし、定期的に聴力検査を受けましょう。

音響障害

 ロックコンサートの大音響の中にしばらくいたときやヘッドホンのボリュームを上げて長時間音楽を聴き続けた時 など、大音量が原因になるものの、一時的に聴力の低下が起こるものを「音響障害」といいます。
 症状が続く時には耳鼻咽喉科を受診する必要があります。 音響外傷が1週間以上続くと、難聴や耳鳴りが 固定して治りにくくなります。

増加する老人性難聴

 難聴の中で、もっとも一般的なのが老人性難聴です。 加齢に伴い、内耳や神経の老化が進み、これらの働きが低下することで、難聴が起きるものです。 初期には、高音域が聞こえにくくなり、しだいに進行して難聴は中音域、低音域へと広がっていきます。 キーンという高温の耳鳴りを伴うこともあり、通常両耳に起こります。

 一般的には、50歳代くらいから症状がみられるようになりますが、個人差が大きく、早い人では30歳代から症状が現われる人もいます。 老人性難聴の場合には、症状を食い止める治療法はありませんが、適した補聴器を装着することで、生活上の不便を解消することができます。

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