メニエール病
メニエール病の診断基準
- 回転性のめまい発作が繰り返し起こる
- めまい発作に伴い、耳鳴り・難聴などの耳の症状が起こり、繰り返したり、なくなったりする
- 検査や診察により、上記の症状を引き起こす別の病気である可能性がなくなったとき
メニエール病の症状

メニエール病の最初のめまいは、ある日突然起こります。 回転性の激しいめまいで、数分から数時間にわたって続き、同時に吐き気や嘔吐、冷や汗、顔面蒼白、頻脈を伴うこともあります。 また、これらの症状と合わせて、難聴や耳閉塞感、耳鳴りなどが現われます。 こうした耳の症状は、ふつう片側の耳だけに起こります。
耳鳴りや難聴を伴うめまい発作は、その後も繰り返し起こります。 頻度はまちまちで、年数回から1ヶ月に何度も 起こる人もいます。 メニエール病の日本における総患者数は7~10万人と推定されており、最近は30代後半から40代前半の女性に多くみられるのが特徴です。
メニエール病の原因
メニエール病の原因はわかっていませんが、傾向を見ると、正確が几帳面で神経質なタイプの人に発症率が高いようです。 また、精神的・身体的疲労やストレスがあり、睡眠不足の状態の人も発症しやすいといわれています。
メニエール病では、内耳に内リンパ水腫(内耳のリンパが増え、水ぶくれのようになった状態)がみられ、これが内耳の感覚細胞を圧迫することで、機能障害が起こり、めまいや耳鳴り・難聴が現れるとみられていますが、どのような仕組みで内リンパ水腫が発生するのかまだ解明されていません。
メニエール病の治療
メニエール病の治療は、症状に応じた薬物療法が基本となります。 通常の治療には、抗めまい薬、抗不安薬や抗うつ薬、ビタミン剤、神経代謝賦活薬、末梢血管拡張薬、血流改善薬、自律神経調整薬などを組み合わせて使います。
強い発作が突発的に起こり、嘔吐も激しいために薬を飲むことができないような場合は、体液のバランスを調整する効果のある重曹や鎮吐薬を点滴注射し、安静を図る必要があります。 また、強い耳鳴りや難聴がみられる場合には、一時的にステロイド薬を用いることもあります。
メニエール病の予防
メニエール病は、体調や環境の微妙な変化に影響を受けやすい特徴があるので、発作を予防し、症状を改善するためにも、ストレスや睡眠リズムなど、生活習慣を見直して、セルフコントロールすることが大切です。